なぜトータルホワイトニングなのか?

なぜトータルホワイトニングなのか?

薬剤の承認に関しては、日本と米国の政府機関の容認度に大きな隔たりがあります。米国では政治・経済が優先され、日本では科学的分析(安全確認)が優先されています。特に日本では、薬害エイズ事件で当時の厚生省官僚が逮捕されるという事例以降は、裁判を意識して頑なに保守的傾向が顕著になり、現在の科学力では評価しきれない(良い悪いの基準が決められない)薬剤に関してはほとんどすべてが、固いカンヌキがかかって承認要請に対して門前払いのような有様です。つまり、薬効があるかどうかや国民の願いを叶えるサービスを実現するためではなく、官僚の立場を守るために制度が構築されるようになっています。(官僚の立場はわからなくはありません。きっと政治の方に問題があるのです。)ホワイトニング剤の許認可には、このような微妙なバランスが色濃く反映するという背景がありました。 日本で市販されているホームホワイトニング剤はほとんどが米国からの直輸入品ですが、日本で販売される段になると歯面清掃補助剤という名称に変わり(区分として箱の隅に小さい文字で記載してあります)、使用法も米国のオリジナルからデフォルメされており、臨床医からほとんど効果が上がらないという報告があります。 これは厚生労働省がフリーラジカルという難しい問題を含んだホワイトニングという製品を承認したくない意図があるにもかかわらず、メーカーが薬品の効能の側面だけを拡大解釈させて、臨床的に別な施術で使う薬ででもあるかのように売り出しを強行し、それを厚生労働省が真に受けて承認した結果です。恐らく、メーカーはきっと厚生労働省の認可さえ取ってしまえばシメたもの!と考えたのでしょう。そして製品化した暁には、なし崩しで臨床の場にホワイトニングを広めようとしたのではないか、と私は想像しています。本来ならば薬効の異なる製品を承認してしまった責を謙虚に取って、厚生労働省・メーカーともに是正をすべきなのですが、修正されずに今日に至っております。 中味は明らかにホームホワイトニング剤ですが、名目上「歯面清掃補助剤」というあたかも歯のクリーニングと併用する洗剤であるかのようなものに変わり、施術も中途半端な手順になっています。患者の皆様方は、ここで述べてきたような日本における不幸な承認までの経緯をご承知の上、薬剤を収納している箱の添付文書は無視していただき歯科医師より提示された「正しい施術法(米国製品の直訳)を記した文書」に従ってホームホワイトニングされることをお勧めいたします。 具体的には、正説ホワイトニングで後述しますがカスタムトレーを3日ごとに換える、嵌める時間は2時間を超えない、という指示は全く意味が無く、「赤信号になったら横断歩道を渡りましょう!」くらいの駄目さかげんです。